定住再考
先日、打ち合わせ中に、仕事は東京が多いのに、何で千葉に住んでるんですか?と聞かれた。
なぜ、千葉に住むのかという質問はたいてい、なぜ、東京ではないのか?ということを聞かれている。デザインの仕事をしていて、クライアントも東京ばかりなのに、どうしてなのか。東京に住んだほうが、打ち合わせも出やすいし、刺激も多いし、いろんな人に出会えるんじゃないか。そういう、東京に住んだほうが、便利だったり、楽しそうだったりするのを蹴ってまで、なぜ千葉なのか? というのが不思議なんだと思う。
自分自身も最初は、そう思っていた。何で東京に出ないんだろう。住んでみたい。そのうち行こう、というようなこと。けど、最近東京に住みたいと思わなくなった。これは、住みたくないという意味ではなくて、そして、千葉に住みたい、という話でもない。千葉に住もうと決めたのだ。
何でそう思わなくなったのか、今、この文章を書きながら、よく考えたら、KARAPPO事務所の空間が気に入っていて、そこで働いているのが気持ちがいいからじゃないか、というのが大きいなぁと思った。他にも、千葉に住んでいて楽しいことは色々増えてきた。人生楽しければ良いと思うのだけど、楽しければ、住んでる場所なんてどこでもいい。住む場所や、働く場所というのは、人生で一番長い間いる場所だ。その場所を、自分で作るということがちゃんとできれば、毎日の生活は格段に楽しくなると思う。街や風景というのは、自分の力だけでは何ともできないけど、街や風景がどうであっても、そこに住む人達が何かしらの美意識や、哲学を持って生活をしていれば、徐々に街も変わっていくのだと思う。最近は、千葉に住んでいる友達も増えたし、よく見てみると、いろんな人がいて楽しい。
ここにこれからも住もうと決めたとき、その街は自分の街になる。その差は大きい。そのうち、どこかに引っ越したいと思っていると、その街との距離が遠くなる。ここに住もうと決めることによって、楽しくなる部分というのがたくさんあることに最近気づいた。ノマド的な生き方にも憧れたりするけれど、定住の決断というのも、これまた面白いんじゃないか、と思う今日この頃です。僕は結構、勇気がいりました。日本中で見ても、住みたい街にはランクインしなさそうな普通な感じの街だけど、このニュートラルな感じが意外と面白い気がしてきています。普通にみえるけど、ゆっくりと見ていると、色々見えてくる。人の顔も見えてくる。
そんなわけで、千葉に住むことが楽しくなってきた今日この頃です。
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この投稿は、9/10に書いて、2ヶ月寝かせていたものです。
写真は、自分のマンションのベランダから見える風景。